イソトレチノインとは
イソトレチノインとはFDA(米国食品医薬品局)から認可を受けているビタミンA誘導体を含むニキビの治療薬です。
「色々な保険診療を試したが、効果がイマイチなかった」という重症のニキビ患者さんに対して、当院では次の治療手段としてご提案しております。
効果が高い分、副作用や禁忌事項があるため、医師の指導のもと適切な治療を進めていくことが大切です。
ニキビ痕の瘢痕をなるべく残さないためにも、当院では早期治療を推奨しています。ニキビで深刻にお悩みの方は、お気軽にご相談ください。
イソトレチノインの適応
以下のような症状の方におすすめです。
- 中等度〜重度の慢性的なニキビに悩んでいる方
- 強いしこりや凹凸のニキビができてしまう方
- 保険治療に効果をあまり感じられず再発を繰り返している方
- ニキビに関する深刻な悩みが絶えない方
イソトレチノインの効果
皮脂分泌を減らす
皮脂を分泌する皮脂腺を縮小させ、皮脂の分泌を減らします。
この作用により、ニキビの原因菌であるアクネ菌が定着できなくなり、抗生物質よりもアクネ菌を減らすことが可能です。
細胞を正常化
イソトレチノインは細胞に働きかけて、皮脂腺細胞や表皮細胞を正常化する働きがあります。
皮膚の細胞が正常に働くようになると、皮膚の角化を抑制し、毛穴のつまりを防ぎます。
抗炎症作用
イソトレチノインは、免疫反応を正常化する作用(過度に免疫が反応してニキビの炎症が悪化するのを防ぐ)があり免疫反応を抑えることでニキビの炎症を緩和します。
治療の流れ
4再診
1ヶ月後再診(途中気になることがあれば診察は可能)
料金
料金(税込) | |
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イソトレチノイン | 3,300円(税込):採血 (別途自費初診料・再診料かかります。 初回より1ヶ月後、2ヶ月後、4ヶ月後に採血費用がかかります) 16,500円:採血結果、お薬代(一ヶ月分) (再診料含む) |
治療期間
通常6ヶ月1クールとして、内服を終了します。(8ヶ月間に延長することもあり)
1クール終了後、2ヶ月程度の休薬期間をとり、必要であれば2クール目を検討します。
禁忌事項
- 15歳未満の方、成長期で身長が伸びている方
- 妊娠中・授乳中・妊娠する可能性のある方
- イソトレチノイン製剤・トレチノイン製剤
- ビタミンAでアレルギーを起こしたことのある方
- テトラサイクリン系の薬剤を内服されている方
- うつ病その他の精神疾患で治療中の方
- 肝機能障害のある方
- 中性脂肪
- コレステロールの高い方
- 大豆アレルギーの方・レーザー脱毛・光脱毛中の方
副作用
- 妊娠している女性に投与すると流産や胎児の奇形を引き起こす場合があります
- 皮膚の乾燥・口・鼻・眼の粘膜の乾燥
- 乾燥に伴う皮膚炎や赤ら顔、鼻血
- 肝機能障害・合併症として胃潰瘍性大腸炎などの炎症性腸疾患、アナフィラキシー、抑うつなどの報告もあります
内服中の注意事項
- 必ず医師の指示に従ってください
- 胎児への影響(奇形のリスク)があるため、妊娠中の方は服用が出来ません
- 男女とも内服前1ヶ月、内服中、内服後も女性は2ヶ月、男性は2ヶ月避妊してください
- 妊娠女性への輸血により、胎児にイソトレチノインの影響が生じるリスクがある為、服用中、服用終了後2ヶ月以内の献血はお控えください
- 服用期間中とその後1ヶ月間は授乳をしないでください
- イソトレチノインを他の人と共有しないでください
- 肝臓、腎機能悪化時のリスクや血糖値上昇のリスクがあるため肝臓や腎臓の機能異常のある方や糖尿病の方は注意が必要です
イソトレチノインQ&A
イソトレチノインの効果はどれくらい?
適切なタイミングで薬を服用、適切な用量と期間を守っていただくことで、1クール(6ヶ月)で98%の方が治癒、または改善するというデータがあります。 現存する世界で処方されているニキビの治療薬として、最も効果が高く、再発率が低いとされている薬剤です。
効果はいつ頃からでますか?
内服後最初の1ヶ月で悪化する可能性がありますが、2~3ヶ月で効果が現れてきます。改善がない場合は薬剤の量を調整する必要があるかもしれませんのでご相談ください。
ニキビ跡にも効果はありますか?
肌のターンオーバーを亢進する作用があり、新しい肌に置き換わるスピードが早くなります。そのため、ニキビ跡の赤みを改善する効果は期待できます。しかしニキビ跡のクレーターについては皮膚の深い部分(真皮層)に瘢痕組織が出来ているため、効果は期待できません。
服用のタイミングは?
直後を推奨しております。 イソトレチノインは脂溶性のため、脂肪分と一緒に吸収されます。よって空腹時の服用は吸収が悪くなるため効果が弱まります。
日焼けは大丈夫ですか?
イソトレチノインは光の感受性を高める薬ですので、日光過敏になる可能性があります。積極的な日焼けは避け、日焼け止めなどの対策は必要です。
化粧水をつけているとニキビは治りやすいですか?また、ニキビになりにくいですか?
化粧水によって、肌の水分バランスを整え、ニキビの原因となる皮脂の過剰分泌や乾燥を防ぐ効果があると言われています。 しかし、化粧水だけでは、ニキビを予防することは出来ません。①グリチルリチン酸、②サリチル酸、③トラネキサム酸などが配合された保湿力の高い化粧水を選ぶことも大切ですが、それ以外の要因に注意して、ニキビの根本的な解決を目指す必要があります。 また、アルコールや香料などの添加物が少ない化粧水(ノンコメドジェニックテスト済み製品を推奨)を選び、”グリセリン”は原因菌のエサになるので避けるべきでしょう。
飲み忘れた場合どうしたいいですか?
当日中であれば次の食後に服用してください。食事を食べない場合は、気がついたタイミングで大丈夫です。前日に服用し忘れた場合は、服用なしで、1日の用量のみ守ってください。
アルコールは大丈夫ですか?
アルコールとの相互作用はありませんが、服用は水でお願いします。 アルコールの多量摂取は肝機能障害などが起こりやすいので、過度な飲酒はお控えください。
ワクチンは打っても大丈夫ですか?
ワクチンとイソトレチノインの相互作用についての安全性試験は行われていません。そのため、内服終了(中止)後1ヶ月空けてください。
通院頻度と治療期間はどれくらい?
副作用チェックが必要なため、1ヶ月毎に1度の通院、治療期間は6ヶ月です。
薬が合わないので返品したい。
一度処方した薬の返品・返金は承っておりません。
飲み合わせの悪い薬はありますか?
以下の薬とは一緒に服用はしないでください。 ・テトラサイクリン系(ビブラマイシン・ミノマイシン・ミノサイクリン・ミノペン) ・副腎皮質ステロイド剤(プレドニン・プレドニゾロン・セレスタミン) ※外用ステロイド剤や吸入ステロイド薬、短期的なステロイドの点滴は問題ありません ・抗てんかん薬 ・ビタミンA ビタミンAのサプリは内服終了後2ヶ月以上の期間を空けてください。 ・セントジョーンズワート(ハーブ)