皮膚がん
症状
皮膚がんは、皮膚細胞に生じたがんの総称です。
基底細胞癌、有棘細胞癌、メラノーマ(悪性黒色腫)などがあります。
種類によって症状は様々ですが、初期には湿疹のような症状として現れたり、また一見ほくろと見分けが付けにくいこともあり、「皮膚上の変化に気づきながらも受診が遅れてしまう」というケースが見られます。
塗り薬を塗っても効果がない、あるいはほくろが急に大きくなってきた際には、決して甘く見ず、ぜひ気軽にご相談ください。
原因
皮膚がんの主な原因は、紫外線だと言われています。紫外線を浴びて遺伝子が傷つくことで、発がんのきっかけになります。
その他、喫煙、放射線、ウイルス感染、ヒ素の長期摂取なども、皮膚がんの原因となります。
種類
① 基底細胞癌
最も多い皮膚がんで、日光の当たる顔にできることが多いです。典型的には光沢のある黒い結節であることが多いので、単なるほくろとよく間違われます。皮膚がんの中ではたちの良い方で、大型になっても転移と言ってほかの臓器に移ることはほとんどありません。
② 有棘細胞癌(日光角化症を含む)
まず日の当たる部分である顔や手の甲に赤くガサガサした境界のはっきりした部分が出現します。この状態は「日光角化症」と呼ばれ、皮膚の浅い部分(表皮)にがん細胞がとどまっています。湿疹と間違えられてステロイドで治療されていることがありますので、ステロイドで治らない赤いガサガサのときには日光角化症を考える必要があります。
日光角化症を治療しない状態が続くと、皮膚の深い部分(真皮)までがん細胞が進んでしまい、「有棘細胞癌」と呼ばれる状態になります。ご高齢の方に起こりやすい皮膚がんでもあります。
③ メラノーマ(悪性黒色腫)
メラノサイトというメラニンを作る細胞が、がん化してできます。いわゆる「ほくろのがん」です。最もたちの悪い皮膚がんで、大型になるとリンパ節や体の各臓器に転移が進むことが知られています。なるべく早くに見つけ、手術で取り切ってしまうことが最良の治療になります。
検査
拡大鏡(ダーモスコピー)で観察し、診断します。
最終的な診断には皮膚がんの一部、もしくは全体を手術でとり、顕微鏡の検査(病理検査)を行うことが必要になります。
治療
いずれも最も確実かつ有効な治療は、外科的切除になります。取り残しのないように、一回り大きく切除することが大事です。
皮膚がんの種類によっては、液体窒素による凍結療法、外用療法などが有効な場合もあります。
転移を疑う場合、精査が必要と思われる場合は、総合病院へご紹介します。