できものが治らない・痛くないときの皮膚疾患
できものがなかなか治らない時、実はその疾患そのものを勘違いしているケースが考えられます。
イボや粉瘤やおできは症状が類似していることがありますが、その治療方法は大きく異なります。
適切な処置をすることで早期治癒につながる可能性があります。
「できものが治らない」と心配な場合は、お気軽に豊中市の千里皮膚科へご相談ください。
ニキビ(尋常性ざ瘡)
ニキビは主に顔、胸、背中に好発する、しばし炎症を伴う皮膚疾患です。
思春期ごろからでき始め、大人になってもニキビに悩む方は多くいらっしゃいます。
ニキビはさまざまな要因により毛穴に皮脂が詰まることで、原因菌のアクネ菌が増殖し炎症を起こす皮膚疾患です。
要因は主に皮膚のターンオーバーの乱れ、皮脂の過剰分泌、毛穴のアクネ菌の異常増殖が挙げられます。
おでこ、鼻から眉間にかけてのTゾーン、顎、背中に好発します。
治療方法は抗菌薬・ビタミン薬・漢方薬の内服も用いられますが、主には外用薬によって治療していきます。
様々な効果的な薬剤を選択し、状態に合わせた治療を専門医で行っています。
セルフケアだけではなかなか改善できないニキビでお悩みでしたら、是非、当院へご相談ください。
原因
原因はさまざまですが、基本的には毛穴にニキビ菌(アクネ菌)が繁殖し、過剰に分泌された皮脂が溜まることで毛穴づまりを引き起こし、ニキビができます。
このほか、生活習慣の乱れ、ホルモンバランスの崩壊、ストレス、物理的刺激などによってもニキビができやすくなることが知られています。
症状
ニキビは段階によって症状が変化していきます。
初期段階は、炎症も痛みもないプツッとした膨らみ状の皮膚症状から始まります。
次に黒ニキビ、炎症を伴った赤ニキビ、膿が溜まって膨れ上がっている黄色ニキビと、徐々に悪化してきます。
最終的に、ニキビが治った後もニキビ跡として肌に残り続けることもあります。
治療
基本的には正しいスキンケアと薬剤塗布によって治療が可能です。
このほかにも、ピーリングやIPL、エレクトロポレーション・イオン導入、ダーマペンなどの自費治療を組み合わせて治療する場合があります。
これらはニキビを治すだけではなく、肌を美しくする効果もあります。
粉瘤
粉瘤は皮膚の内側に袋状の組織が発達し、その中に皮脂やアカなどの老廃物が蓄積されることで生じる良性の皮膚腫瘍です。
無症状で経過することもありますが、放置しているとサイズがどんどん大きくなり、野球ボールほどの大きさまで発達することもあり得ます。
また細菌感染により炎症してしまうと、触れただけでも痛みが生じてきます。
炎症性粉瘤ではそのままでは外科的処置できないので、まずは抗菌薬で炎症を鎮めることから治療を開始します。
外科手術ではくり抜き法で中心部に小さな穴を開ける手法が一番傷跡が小さく、きれいに治ります。
術後、適切な処置を行えば、およそ1〜2週間で傷は塞がります。
原因
多くの場合、原因の特定はできていません。
しかし、皮膚の下に老廃物が入り込んで、それを包み込むように袋状に周囲の皮膚が発達することが影響していると考えられています。
症状
サイズが小さいうちは特に処置しなくても、無症状で経過することも多くあります。
しかし、大きくなるにつれてボコッと腫れてきたり、細菌感染することで化膿による痛みが出たり、嫌な臭いがしてくることもあります。
治療
粉瘤は皮膚の内側に袋状の組織が発達し、その中に皮脂やアカなどの老廃物が蓄積されることで生じる良性の皮膚腫瘍です。
無症状で経過することもありますが、放置しているとサイズがどんどん大きくなり、野球ボールほどの大きさまで発達することもあり得ますので、少しでも小さいうちに外科的に治療することをおすすめしています。
また細菌感染により炎症してしまうと、触れただけでも痛みが生じてきます。その場合、細菌感染が軽度であれば、抗生物質の内服で炎症を抑えます。細菌感染がひどくなると、嚢腫内に膿が溜まり、飲み薬のみでは炎症を抑えることができず、局所麻酔下に嚢腫に切開を加え、膿を出す治療(切開排膿処置)が必要になります。
脂肪腫
脂肪腫は、臓器や骨以外の軟部組織に生じる軟部腫瘍の1つです。
脂肪の塊が薄い膜に包まれています。
原因
脂肪腫の発生の原因ははっきりとは判明していませんが、刺激を受けやすい部位に好発する傾向があります。
通常、肪細胞はそれ以上増殖することはありませんが、未分化の脂肪細胞が何らかの影響で増殖することが発症に影響していると考えられています。
症状
脂肪腫では、皮膚のしこりや膨らみが自覚症状として現れることがあります。
多くは皮下脂肪組織にできるため、皮膚の上にまで盛り上がることは少なく、痛みもほとんど感じないため、発見が遅れることがあります。
治療
脂肪腫は自然治癒することはありません。
脂肪腫を覆っている薄い膜を切り出して、外科的に摘出する必要があります。
基本的には進行が遅い良性腫瘍ですが、ごく稀に悪性腫瘍に変化するものがあるため、摘出後は鑑別のために病理検査に出す場合があります。
イボ
イボは主にウイルス感染が原因で生じる皮膚疾患です。
正式名称は「疣贅」と言い、様々な種類が存在しています。
大半はヒトパピローマウイルス感染によるウイルス性イボですが、加齢・紫外線の影響を受ける老人性疣贅(脂漏性角化症)や、伝染性軟属腫ウイルスによって生じる水イボもあります。
治療法は基本的には液体窒素による凍結療法が主体ですが、レーザー治療や漢方薬を組み合わせて治療することもあります。
原因
ほとんどの場合はヒトパピローマウイルス(ヒト乳頭腫ウイルス)による感染によって生じます。
ヒトパピローマウイルスは実に100種類以上発見されており、その種類ごとにできるイボが異なる場合もあります。
症状
代表的なイボは「尋常性疣贅」と呼ばれ、表面がざらざらしていてプクッと丘疹ができることが特徴的です。
好発部位は手のひらや足の裏で、サイズは数mmの小さなものが大半ですが、稀に2cm程度の大きなものも存在します。
治療
保険適応での治療は「液体窒素治療」と「イボ剥ぎ法」の2つがあります。
液体窒素法
−196℃の液体窒素をイボに噴霧し、イボ組織を冷凍し破壊します。
治療後はしばしば色素沈着を起こす可能性がありますが、徐々に治ります。
イボ剥ぎ法
局所麻酔をかけてイボを外科的に摘出します。
液体窒素法と異なり、イボを丸ごと切り取るため1回の治療で完結する確率が高いです。
傷ができることがデメリットですが、形成手術を受けることできれいに傷跡を治すことも可能です。
おでき
おできは正式には「癤(せつ)」と言い、細菌感染によって引き起こされる皮膚疾患です。
皮膚組織の真皮層から皮下組織層にかけて、皮膚の深い部位に炎症を生じます。
状態によっては「結節(結節)」や「硬結(こうけつ)」というしこりを伴った状態となります。
原因
おできは、皮膚の常在菌でもある黄色ブドウ球菌が、毛穴や皮脂腺から皮膚内部に侵入することで発症します。
疲労の蓄積や風邪などによって免疫力が下がっている状態が続くと、おできができやすくなります。
症状
おできは発症の初期段階から厚ぼったく腫れて、しこりを感じることがあります。
また、炎症性の皮膚疾患のため、徐々に内部に膿が溜まっていき、痛みや熱感も伴うことがあります。
治療
炎症が進行している場合、膿を排出する排膿処置を施すことがあります。
また、おできは抗菌薬の処方など、薬剤治療に奏効しやすい特徴を持ちますが、しばしば外科的に処置することもあります。
おできは粉瘤などと違って、初期段階から自覚症状が出てくるので、比較的容易に治療を進められます。おできが出てきたら、できるだけお早めに豊中市の千里皮膚科へご相談ください。